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みんな話題の読み切り『パティスリー・ヘクセン』読んだ? (後記 この埋め込みなんも反応しねえじゃん。右クリックで新しいタブを開くなどで読めます)
すごすぎない?
このひと新人なワケでしょ? むちゃくちゃだ。こんな新人いてたまるか。表情もオブジェクトもファッションも彩色もストーリーも発想も、すべてが備わっている。イラストレーターでもやってけるような画力のある人がこんな大人っぽいプロットを書けるんだからお手上げだ。漫画描いてる人ってどうやって心を保ってるの。毎年、どこからともなくこういうおそろしい新人が出てくるじゃん。俺、もし漫画描いてたらこんなおもしろい『パティスリー・ヘクセン』をまっすぐ読めないよ、まっすぐたのしめないよ。きっと震える指で粗を探すことしかできない。
うちは4人兄弟で全員内向的なので、それがさだめとばかりにみんな絵を描いている。俺以外。俺だけが絵のほうに行かなかった。よく知らないがほかの3人はいまでも描いてるんじゃないかな。4人ともみんなおおよそ同じような精神構造をしているが、俺だけ脳の描画やイメージを司るところがあんまり強くなかったのかもしれない。ぜんぜん絵がうまくなかった。褒められた経験もない。しかし絵の才能がなかったことが不幸とはあまり思わない。なにせ絵の世界は過酷だ。はたから見てもそう思うんだから渦中にいると相当きついはずだ。そっちの世界に人生を預けるようなことにならずに済んだことは幸運と形容してさしつかえないと俺は思う。
みんな、かけ合わせでなんとかやっている。漫画家もYouTuberもお笑い芸人もウェブライターも。漫画家となにか、YouTuberとなにか、お笑い芸人となにか、ウェブライターとなにか。それは生活の様式という意味もあり(漫画家と会社員など)、アウトプットの様式もそう(レポ漫画や広告漫画)。そうやってみんななんとか食っているところに、こういう才能が天上をかけぬけるかのように瞬く。からめ手ではない、透きとおるような純粋。自分がのそのそと藪を歩いているとき、ものすごいスピードで天を駆ける星を見上げて、きれいと言えるだろうか。
でも、これ言える人いるよな。きれいだねって。言うな、きれいだなんて。バカ。悔しがれ。大人になったふりをするな。俺はな、俺はいつだって悔しいぞ。