221013 生きてる価値などありゃせんが

　

生きてる価値などありゃせんが

① ワイは猿や

　

① ワイは猿や

アーーーー

なんかもういつも元気がないな。ここ1年で急速に老けた気がする。顔が。心が。

イヤだ～　死ぬ～　死にゆく～　死に向かいゆく～

ヒャーーーーーーッ！！！

心が感動をしなくなっている。心が痩せている。なにを食っても味がしねえ。なにを見ても味がしねえ。なにを書いても味がしねえ！！

これが老いるということなのか。もうなにをしてもだめだ、俺は。考えなしで生きてきた。挑戦もせず、撤退もせず。度胸ももたず、愛ももたず。スマホ片手に選択肢を選んできた。ポチポチポチ。適当にボタン押してりゃ勝てると思うなよ。ドラクエのカジノじゃねえんだぞ。

毎度毎度おさわがせなこって。俺は俺がうまくいっていないと騒ぎ、俺よりうまくいっていないやつはそれを見て舌打ちをし、俺よりうまくいっているやつはそれを見て嘲る。そんなことをもうずっとやってきてますわ。ここ1年、2年。さて、もう1年、2年いきますよ。いきませんよ。やってられるか。俺はいやだぞ。いやって言ったぞ。言質をとってくれ。だれでもない、あなたがです。あなたでがす。

もうさあ～～～　衣食住そろってるのにね～～～～　なにが気に食わないの。なにが、と聴かれると、すべて、よりほかに当てはまるピースは持ち合わせていないのであった。すべてだ。全員だ。全員一発ずつビンタをさせろ。強弱もつける。ムカつく者には強ビンタ。ムカつかぬ者には↑強ビンタ。↑強ビンタは多段ヒットだ。泣きて～　泣きながらビンタして～　それですべてを終わりにしたい　それをひとつの道の果てとしたい。

駅で売っているマカロンが頭のなかのマカロンの5倍ぐらいの値段がすること。それを許してはならない。鈍色に光るけたたましい機械で作られているくせにパティシエールにつくってもらいました✌みたいな顔をしている。生意気だ。箱だけきらびやかに仕立ててしまえば立派にみえるものだ。人とおなじだな。ひとつ500円とか600円とか。あれは天然のマカロンの値段だ。天然のマカロンの採れる場所はどんなに親しい友人にも教えてはならない。それで泣いたやつを俺は何人も知っている。人の欲の急流に友情という堰を立てようなどと、風の前の塵にオバジ（スキンケア）。

人がみなこういった漠然とした鬱屈を感じているのだとしたら、どうしてだれも道の上で「やだ～～～～！！」って言ってないんだ。スクランブル交差点のYoutubeライブを見てもそんな人はひとりもいない。ナミブ砂漠にも渋谷の駅のマカロン売り場にもいない。どこにいるんだ。俺の探し方が悪いのか。そんな、じゃあ先輩がやってくださいよ。自分むいてないっす。辞めるっす。この仕事。イナカかえって、イナカかえって、どうしような。中学のとき好きだったあの子も、高校のとき好きだったあの子も結婚してるのに。俺だけ置いて。俺だけ老いて。俺だけ甥て。やべ、漢字でうまいこと言うやつのダブルアップ狙って失敗してしまった。けっきょくゼロ円。薬指と小指をすり抜けていく富。紫外線にやられ色のあせた赤い糸。オバジを塗っておけばこんなことにならなかったのに。畜生。俺はいつもだったら畜生はちくしょうかチクショウだが、なんかきょうは畜生が似合う夜だった。さようなら。また会いましょう。